日本不動産ジャーナリスト会議

日本不動産ジャーナリスト会議サイトへようこそ。

<< 【会員情報】中沖泰雄氏と神内敏之氏が入会しました | 日本不動産ジャーナリスト会議 | 【お知らせ】REJAニュースサイトを開設しました >>

不思議な国、ニッポン(2008-10-09:フリーライター・太田三津子)

 取材そのものより、取材を終えた後の雑談が面白い。これはある取材のこぼれ話。

 バブル前、日本が「ものづくり」で世界をリードしていたころ、国の偉い人々は考えた。「これからは賃金の低い発展途上国が追い上げてくる。製造業で国力を維持するのは難しくなるだろう」と。まさに図星。
 そこで、国の富を不動産と株に変えて国内に蓄えようと考えた。意図は当たり、バブルに突入したが、ひとつだけ誤算があった。国民とマスコミが「地価を下げろ」と大合唱したことだ。

 世界の人々はそれを見て仰天した。
 「どうして自分の資産価値が上がることに大反対するのだろう、不思議な国民だ」と。
 そのあとは皆さんご存知のとおり。急激に金融の蛇口を絞り、地価税まで導入した結果、劇薬が効き過ぎて日本は長い不況に突入し、国民は貧しくなった。

 その後、都心の地価が反転上昇すると、短絡的に「バブルの再来」と大騒ぎ。そして今、サブプライム問題を理由に、不動産への資金の流れが絞られつつある。実物不動産は傷んでいないのに、不思議なことだ。

 さて、もうひとつの不思議。
 アジア諸国は今、世界から人や企業、モノ、金、知恵、情報を集めようと、自国の代表的な都市に資金を集中投下して都市づくりを進めている。
 一方、日本は「東京一極集中はいけない」と、政治家は格差是正を叫んでいる。

 「東京を世界都市にし、世界から優秀な人や企業を集めて国力を維持しなければ、国民全体が貧しくなると思うのだけど、不思議な国だね」と、海外の知人は首をひねる。
 日本人はお金持ちや大企業も嫌いなようだ。高額所得者や企業に高い税金を課して、優秀な頭脳や企業を海外に追い出している。

 昔、「皆で渡れば怖くない」というジョークが流行ったが、日本人は隣の家と差がつくよりは「皆で貧しくなる」ことを選ぶ国民なのかもしれない。
 スイスの国際経営開発研究所(IMD)が今年7月に発表した世界競争力年鑑によれば、日本は55カ国・地域中22位。私には、日本人が「一緒に貧しくなる」道を選んでいるように思えてならない。

 英国の元首相サッチャーさんがこんなことを言っている。
 「金持ちを貧乏人にしても、貧乏人が金持ちになるわけではない」まことに名言。
 これに照らして言えば、「東京の足を引っ張っても、地方が豊かになるわけではない」

 足の引っぱり合いといえば、政治も同じ。日本経済は崖っぷちなのに、自民党や民主党は国会を足のひっぱり合いの場にしている。
 「そんな場合じゃないだろ、皆で豊かになる道を探るのが政治だろ!」と、なぜ、誰も怒らないのだろう。

 やっぱり、日本は不思議な国だ。

この記事に対するコメント

コメントする















お問い合わせメールフォーム