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やって来た、わが国の住宅需給の構造的変化(2008-04-03:住宅問題評論家・加藤憲一郎)

 わが国における住宅投資額は、年間に20兆前後と言われる。正確に言うと、2005年度の投資額(新築と増改築への投資総額)は、新築投資額17.6兆円、増改築投資額1.4兆円で、計19.0兆円となる。この金額、この10年間以内のピークは1996年度の29.3兆円。何と9年間でほぼ35%ものマイナスである。
 ところでご存じの通り、07年7月以来、耐震偽装を発端とした建築基準法改正の影響で、毎月の住宅着工戸数が大幅にダウンしている。07年7月〜12月には毎月2ケタの減少であった。このところその減少幅は少なくなっているとは言え、08年1月には依然として減少傾向(5.7%減少)はつづいている。この傾向が3月までつづけば、08年度の着工戸数は105万戸程度となるのではないか。前年度の128万5000戸にくらべれば、18%程度のダウンということになる。

 先ごろ発表された(財)建設経済研究所の見通しでは、07年度の住宅投資額は前年度にくらべてほぼ20%減となっており、GDP全体に与える影響も実に大きい。

 ただ、上記のような住宅投資額の低迷は、建築基準法改正による建築確認の遅滞によるばかりではなく、もっと構造的な変化による要素もある。つまり少子高齢化の深まりと人口減少という根本的な原因もあることを忘れてはならない。

 人口減少はすでに始まっており、少子高齢化は深刻な影響を社会に与えている。さらに住宅の着工戸数をはじめ、住宅のあり方などに与える影響も大きい。たとえば1戸当たりの床面積は、着工戸数1戸当たり、あるいは分譲マンション1戸当たりなどでやや狭小化をはじめている。

 ただ世帯数の増加があと4、5年はつづくとされており、そのため、着工戸数はすぐに激減するものとは限らない。世帯数増加を背景とした建替え需要は依然としてつづくだろう。

 いずれにせよ住宅問題全体は、大きな構造的変化の時代を迎えている。時あたかも、「200年住宅ビジョン」が打ち出されたのも、まさに時宜を得た住宅政策であろう。この政策を含めた08年度予算案も国会を通過した。このビジョンの成功を期待したい。

(数字などは内閣府、国交省―「住宅経済データ集」より)

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