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「マンションは管理を買え」って本当なんですか?(2005-02-09:住宅評論家(財)マンション管理センター主席研究員・村井忠夫)

■■村井 忠夫■■
壊されない限りその場所に建ち続ける巨大建築物がやがて500万戸になる

 相変わらずマンションが増え続けている。マンションは堅牢な巨大建築物だから、一度建てられたら取り壊される日がくるまでその場所に建ち続ける。だから、よほどのことがない限り、マンションは増える一方で減ることがない。都市住宅の典型といわれて登場したマンションがこうして増え続けやがて500万戸に近づくのは、もうそんなに先ではない。
建ち続けるならきちんと建ち続けなければ…

 壊される日まで建ち続けるなら、きちんとした状態で建っていてくれなければ困る。コンクリートでできた巨大建築物がぼろぼろになった大きな図体をさらして都市の一角に建っていたのでは、間違いなく厄介なことになる。その都市に住む住民にも迷惑だし、集合住宅としてそこに住んできた居住者はもっと困った立場になる。だから、建てられたマンションは、その後の長い年月を経てもそれなりの存在価値が果たせるような状態できちんと建っていてくれなければならない。マンションは集合住宅だからそこに住む人にとっての生活の場だが、その建物規模の大きさゆえに、それ自体が社会的な存在なのだ。

マンションが厄介な存在にならないための鍵は『管理』なのだが

 では、そういう問題が起こらないようにするには、どうすればいいか。答は簡単だ。そのマンションの「管理」をきちんと進めていけばいい。それだけだ。と、言えば、まことに簡単な話になってしまうのだが、実際にはそれほど簡単ではない。「管理」が大事だなどということを考えないままマンションに住む人が珍しくないほど多くなっているからだ。そこで、どうなったか。「管理」の主役となるはずの管理組合が弱体化して組織の実質を失う傾向が相変わらず続いている。管理組合の役員は引き受けたがらない、総会は委任状で済ませて誰も出てこない、管理費の延滞は放置されているなどというのは日常茶飯事で珍しくもない。昨年は、とうとう管理組合の理事長が殺される事件さえ起こったほどだ。

「マンションは管理を買え」…。だから「マンションの管理はお金を出して買えばいい」…。だから「マンションの管理なんて自分でやるものではない」という悪循環が真犯人

 いったい、どうしてこんなことになってしまったのか。理由はいろいろ思い浮かぶ。そもそも、今の世の中、作ったものをどうもたせていくかという「管理」のことをほとんど考えないままの仕組みが増えすぎた。が、それは、まあここでは棚の上にあげよう。マンションに絞って言えば、「管理」のことを考えないまま分譲マンションを買う人があまりに多くなったからだということは、まず間違いない。論より証拠、「マンションは管理を買え」などという言い方が大手を振って多くの人に通用してきたではないか。なけなしの大金をはたいてマンションを買う人の中にも、『「マンションは管理を買え」って言いますよね。だから管理会社に任せておけばいいんでしょ?』などと訳知り顔で言う人が今もいるのだ。

 マンションの管理は、お金を出して『買う』ものではない。買った人が自分で『する』ものなのだ。5年も前にできたマンション管理適正化法にも、そう定めてあるではないか。マンションを買った人がその一員となる管理組合はマンションを適正に管理しなければならない義務があるぞと、ちゃんと書いてあるではないか。

 マンションの基本的なルールである標準管理規約が改正されてちょうど一年が過ぎた。『マンションは管理を買え』などというあやふやな伝説よりも、こうした動きに目を向けるべきことをマンションに住む人がもっと気づかなければなるまい。今のままだと、そのうち間違いなくマンションは都市にとっての頭痛の種になる。それも、遠くない日に。
■■村井 忠夫■■(2005-02-09)

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