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200年住宅スタートダッシュ(2009-01-08:創樹社ハウジング・トリビューン・古川興一)

 200年住宅が幸先のよいスタートをきっている。政府・与党による21年度税制改正大綱において、大幅拡充となった住宅税制で、長期優良住宅、いわゆる200年住宅に格別の優遇措置がとられたからだ。住宅ローン減税では、200年住宅が一般住宅よりも100万円多い600万円の最大控除額となった。加えて、大向こうをうならせたのが200年住宅に限って、投資型減税が打ち出されたことだ。住宅ローンを借りず、現金で支払う人にも減税しようというわけ。ローンを使わないなんて、大体において、富裕層であり、これまでこの種の論議をしようものなら、たちまち「金持ち優遇」と批判された。
 それが景気対策もあったとはいえ、格別の批判もなく、こうした投資型減税が実現したのは画期的なことといっていいだろう。それもある意味、200年住宅という、よい玉があったればこそだ。福田前首相の置き土産である200年住宅新法が混乱政局の中、何とか首の皮1枚でつながり、廃案の危機を乗り越えての国会成立は見方によっては奇跡的でもあった。法律が成立したからこそ、景気刺激をねらっての税制改正に組み入れることができたのだから、これも絶妙のタイミングというしかない。

 また、200年住宅にとって幸せだったのは、前福田首相が施政方針演説で200年住宅の推進を打ち出すなど、すでに200年住宅の理解への地ならしがかなり進んでいたということだ。200年住宅という長寿命の高品質・高性能の住宅を建てることが地球環境問題、資源・エネルギー問題に役立ち、そして資産価値のある住宅を後世代が住み継ぐことで、後世代の住居費負担を大幅に軽減でき、真に豊かな生活を実現できるというイメージも描きやすくなっていた。普通のサラリーマンにとって生涯、最高額の買い物である住宅が、わずか30年程度で壊されるという不条理なことがこれまで当然のことのように行われてきたことの馬鹿さ加減に気がついた。短命住宅の住まいづくりという催眠術から、戦後60年にして、ようやくさめたということなのだ。

 スクラップ&ビルトでゴミのように扱われる住まいづくりとはもうきっぱりと決別しなければならない。200年住宅は美しい200年住宅の街づくりへの期待もさせてくれる。そこでは社会資産としての住宅が認知されるということでもある。

 税制や金融も含め200年住宅に対するさまざまなインセンテイブがこれから具体化してくるだろう。住宅需要者の選択の目もやがて200年住宅がまず軸になってくるだろう。そして、これは200年住宅に対応できない住宅会社は市場から淘汰される厳しい時代が来ることをも意味する。新たな技術開発、新たなビジネスモデルも出てくることだろう。欧米に比べて後れているといわれる既存住宅の流通市場も200年住宅によって活性化されるだろう。200年住宅が住宅産業構造の変革を促すとも見ていい。ストックの時代といわれて久しいが、実態は、言葉だけで、他人事の響きであった。だが、今度の住宅税制や、景気刺激策の中で、あえて将来への良質なスットクとなる200年住宅を大きくクローズアップさせたことは、ストック社会に向けての姿勢を示すものと高く評価されていいのだと思う。

 内需拡大だからといって、ただ数多く建てればいいというわけではなく、せっかくだからよい住宅を建てましょうというまさに先を見据えたメッセージだからだ。投資型減税にしたって、金持ちが率先してよい住宅を建ててくれる、よい住宅を後世に残してくれると考えるなら、文句を言う筋合いはなく、むしろ楽しいではないか。めくじらをたてるほどのことではない。

 200年住宅が本格化するまでには制度的な面を含めてこれから整備しなければならないことはたくさんある。油断をするとコストアップなどを言い訳に後退局面も懸念されないわけではない。記者の目も、飽きることなく、200年住宅を見守り、育てていくとの目がことのほか重要であると思っている。

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