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「住民の連帯感が資産価値を下支え」(2008-02-07:フジサンケイビジネスアイ編集局記者・伊藤俊祐)

 私が住む地域は、首都圏有数のマンション「街」。2003年ごろから完成物件が相次ぎ、今では数百戸単位の大型物件が立ち並んでいる。
 現在のマンションは4年前に購入。経緯についてはその当時、このコーナーで紹介させていただいた。その文章を振り返ると、「購入活動を進めるに当たっては自分なりの規範を定めた。主な項目は、(1)街並みが整備されている(2)通勤は1時間以内(3)教育水準が高い(4)街づくりに対する住民の参加意識が高い(5)近所に大型商業店舗がある(6)地価が安定的に推移―。永住志向はないため、こうした条件を備えていれば中古でもある程度の希望価格で売れるのでは、という目算に基づいたものだ」と記してある。この6項目のうち、実際に住んで改めて痛感しているのが、街づくりに対する住民の参加意識の高さだ。

 私が住むマンション(総住戸数は600)は自治会活動が活発なことで有名。住民主体による出店や演奏会などで構成された秋祭りを筆頭に、さまざまな年間行事が計画されており、近隣マンションからの注目度も大きい。とくに結束力が発揮されるのは、地元小学校の運動会の目玉で児童の親が参加する、マンション対抗の綱引き合戦。今のところ圧倒的な強さを見せており、開校以来、無敗を誇る。

 周辺マンションも独自の結束力を見せている。私のマンションを含め全住民が地域活動に熱心というわけではないが、こうした力は確実に相乗効果を生み出し、地域全体に一種の連帯感をもたらしている。その代表事例が、小学校の児童を抱える親によって構成された「おやじの会」だ。

 この会の趣旨は、自分の子どもと同じように地域の子どもたちと触れあうこと。運動会やキャンプファイアーなど、さまざまな行事に積極的に携わる。私の場合、活動の中心となる土曜日は出勤やゴルフと重なるケースが多いため皆勤は難しいが、時間が許す限り参加している。当然のことながら、飲み会もお楽しみの1つだ。

 おやじの会の真骨頂が発揮されたのは、近所の女子中学生が通学途中に被害を受けた昨春の出来事。幸いにも大事には至らなかったが、その事件が発生した際にはメールで情報を共有化し、早い時間に帰宅できる人は率先してパトロールを行うなどの対策を講じた。

 住宅・不動産業界はここ数年の間、ハード面での対策の強化によって、「安全」と「安心」を重視した家や街づくりを積極的に展開している。だが、いくら高額な投資に踏み切って立派な器を作ったとしても所期の目的に達することはなかなか難しい。やはり、安全と安心を両立させるには、住民同士による強固な連携力が不可欠となる。この姿勢が結果として資産価値の形成に結びつくことにもなる。

 私の住んでいる地域は幸いにも、予想以上に中古価格が堅調に推移している。最大の原動力は何かということは特定しにくいが、住民のモラルが一翼を担っていることは確かだといえよう。

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