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遠い田舎暮らしか、首都近郊での2地域居住か(2007-09-12:不動産ジャーナリスト・大越 武)

 定年後、人生の第3ステージともいうべき熟年時代を、いかに有意義に、楽しく暮らしていくかが、大きな社会的テーマにもなっている。還暦を超したばかりの筆者自身も、そうした取材をしながら、いい暮らし方がないものかと、いつも自分自身の問題として、思い巡らしている。
それには気分一新、思いっきり居住地を変えることが、新しいライフスタイルを生み出す楽しみがあるということで、子ども時代に戻って、遠い田舎に暮らしてみるか。いや、長く住み慣れた都会生活は、生活の拠点でもあって捨てがたい魅力があり、都会と近郊の2地域居住を模索した方がよいのでは――――ということで、ここ1、2年、「遠い田舎暮らしか、それとも、首都近郊での2地域居住か」を、自分なりに追ってみたので、雑ぱくではあるがリポートしてみよう。

 新宿御苑前の「閻魔大王像」と「奪衣ババア像」で有名な太宗寺の門前にあった、大きな目玉をした達磨大提灯が目印の小さな料理屋「だるま」の旦那夫婦が、還暦を目前にして店を畳んでおかみの故郷・長崎に戻った。「夕日を見下ろす長崎の丘に住みたいな」というので、郊外の分譲中のニュータウンを案内した。

 そこは、長崎市中心部からわずか10数キロ辰領地。長崎の街を楽しみながら、海と山の幸を満喫できるロケーション、というのがうたい文句だ。東京暮らしをしていた都会人には、分譲価格も値ごろで、「永住の地」にするには申し分ないところ。

 それだけに、現地には「だるま」旦那夫婦のような2人だけの年配夫婦が、東京や大阪から供給業者の呼びかけに応じて「田舎暮らしの体験下見ツアー」として、結構参加していた。名古屋から移住してきたご夫婦など、すでに10数家族が快適な長崎田舎・都市生活を送っており、ジョギングを楽しんでいる姿も多く見られ、長崎らしい田舎暮らしの”ぜいたくさ“を感じた。市内までは、コミュニティーバスが運行されており、通勤、通学、観光、買い物に不自由はない。ある意味では、ここは「都市型田舎暮らし」の典型で、都会人には定年後のセカンドライフとして、都会と田舎の両方とも捨てがたい人には、もってこいか。

 デベロッパーも、そこは心得ていて、「田舎暮らしの不安」に対し、貸し農園の話とか、仕事の斡旋状況、自治体誘致の優遇策、移住事例の数々など、カユイところに手の届くほどの説明をしていたのは、さすがであった。
  沖縄にも行ってみた。「田舎に帰ろう」のUターン、Jターン、Iターンが、このところ増えているが、なんといっても一番増えているのが、沖縄への移住者だろう。

 「定年後、どこに住みたいか」という意識調査をすると、団塊世代を中心とした大方の人は、「沖縄」を移住希望先のトップにあげており、ついで「首都圏」や「中部圏」「都心近郊」などで、その理由は「自然が豊か」としている。

 沖縄大京が、2000年から昨年の06年まで販売した大京ライオンズマンション(28棟、1,158戸)の「購入者分析調査」をした結果、03年と05年の沖縄県外からのマンション購入者(原則、本人居住でセカンドハウスを含む)が、2人に1人の50%を超え、とくに05年の県外購入者は、過去最高の53.8%にも達していたことが、判明した。また、昨年も引き続き県外からの購入者が増えており、その比率は45.1%に達している。

 これを[表]にしたのが、下記の表で、2000年当時は20.8%で、5人に1人の割合とそれほどでもなかったが、01年、02年と30%に上昇、急に増えだしたのは、03年からで過半数を超え、沖縄大京の担当者は「インターネットの普及につれ、確かに東京や大阪など本土の大都市からの移住者が、増えてきていますよ」と、いっている。

 現地で移住者向けの情報誌『こだわりの沖縄生活』を発行している編集者は、「リゾート感や観光地だけの沖縄と思って、沖縄生活を送るのでは飽きて、続かないと思うので、等身大の沖縄生活の楽しみ方、移住者の紹介コーナーなどを毎回盛り込んで企画している」という。

沖縄県における大京・ライオンズマンションの供給戸数と
   沖縄県外からのライオンズマンションの購入者数
       供給戸数   県外からの  割合
          (戸)  購入者(名)  (%)
  2000年   125      26     20.8
    01年   185      56     30.3
    02年   199      58     29.1
    03年   151      77     51.1
    04年   143      61     42.7
    05年   160      86     53.8
    06年   195      88     45.1

 千葉は房総の先端「鴨川」の山中に、大学時代の友人が昨年、セカンドハウスを建てたので、この夏一泊し、定年後の夫婦2人の田舎暮らしの実際を、夜通しじっくり聞いてきた。400坪の傾斜地を買い、商社マンをやめて年金・農園生活と好きな海釣りの日々、小遣い稼ぎの仕事もメールで中国とし、筆者にも読めない商業英文ばかり。

 小金井の自宅は子どもに譲ったが、なぜか住民票は移していない。奥さんも田舎暮らしに慣れたが、月1回は東京にお稽古事に通っている。彼も「望んだ通りで、女房も折り合ってくれたし、不満は全くない」という。これぞ、首都近郊での理想的な2地域居住か。

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- | 2008/01/23 9:42 PM
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