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“あえて賃貸住宅に住む”人たち(2003-05-06:経済ジャーナリスト・木村平三九)

 地価と株価の大幅な下落による長期のデフレ経済のなかで、“あえて賃貸住宅”を選択する人たちが増えている。
 もちろん、全体として持ち家志向は依然として高い。そのなかで、サラリーマンを取り巻く生活環境の大きな変化を踏まえて、賃貸住宅を積極的に評価する層が増えてきたのだ。
 それはまず、給料が上がらない状況になってきただけでなく、雇用にも不安がある。そんななかで、30年もの住宅ローンを継続して負担するのは果たして得策なのかという疑問がある。
 また、これからのサラリーマンは、転社も考えておく必要がある。勤務地も東京とは限らないし、地方、海外もありうる。

 ローン負担や生活不安を避けて、家族構成、家族年齢、所在地に合わせた最良の住まいを賃貸住宅に求め、住み変えていきたいという生き方の選択である。
 土地も家も、増える資産としては期待はできないし、賃貸なら固定資産税、都市計画税の支払いからも解放される。持家にこだわる理由は少なくなったとみる。

 定期借家権が創設されて以来、広い良質な賃貸住宅が登場し、“賃貸は安物”とは言えなくなってきたことも後押ししている。
 総務省の調べによると、東京23区の年収1,000万円以上の人たちの約30%は賃貸住宅に住み、特に中央区・港区では40%に達している。
 ある大手住宅メーカーのトップは「将来、山の手線内は大半が賃貸住宅になるだろう」と予想し、賃貸住宅事業に注力している。
 このように賃貸住宅を積極的に評価する層が出現している一方で、持家志向が依然高いのも事実。現在は超低金利時代で「家賃とローンが同額」であり、それなら持家にしたいというのも当然の選択だ。

 また、賃貸派でも老後は持家で過ごしたい、逆に老後は小さな賃貸で暮らしたいとする持家派も存在する。
 将来の社会環境を予測して“あえて賃貸”派が生まれているのは新しい潮流として評価したい。それだけでなく、今後、住宅の流動性が高くなるのは必然の流れ。そこで大切なのは、持家と賃貸が相互に交流・共存する仕組みを作り上げること。それが、生活者の住まいの選択性を多様にし、居住水準を高めることになるからだ。

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