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統計を読むのは“面白い”―数字のうしろにはさまざまな事実が…(2002-12-16:住宅問題評論家・加藤憲一郎)

 住まいに関する統計というのは、つらつら眺めていると、なかなか面白い事柄が含まれている。まず、総務省の「住宅・土地統計調査」による“どの都道府県の住宅がどのくらいの広さなのか”という統計。もっとも広いのは富山県の151.70屬如△發辰箸盒垢づ豕都(59.43屐砲裡押ィ鞠椶鯆兇┐詭明僂任△襦I抻蓋でもとくに1戸当たり床面積が広いのは砺波市。何とその面積は210屬鯆兇┐襦
 富山県の住宅がなぜ広いのかを調べたことがあるが、その理由ははっきりしない。一つだけ言えることは、持家率がきわめて高いことだ。借家率が大きいほど、平均床面積を引き下げるものだが、富山県の持家率は80%強もの高比率。なかでも上記の砺波市の持家比率は96%もあり、これが平均床面積を大きなものにしている。

 そのほかの理由として、“どの家にも広い仏間があるから”という人もあれば、“農村部ではいわゆる散居の形態をとっているから”と主張する人もいる。あるいはまた、“冬は雪に閉ざされて家のなかで24時間の生活を送らざるをえないから”という人もいる。たとえば広い仏間について言えば、このあたりは在家仏教の盛んなところ。各家庭には8〜10畳もの仏間が常識で、2つの座敷をぶち抜きで冠婚葬祭に用いるからだろう。

 いずれにしても1戸当たり床面積が大きいのは、富山県のほかに日本海側の農村部が中心。農村部でも九州や四国では、住宅が比較的小規模である。床面積がもっとも小さいのは東京都(59.43屐法△弔鼎い涜膾緝棔68.93屐法いわゆる大都市圏であるが、これら地域の持家率は低く(東京都41.5%、大阪府49.6%)、これが地域の床面積を小さいものにしている。

 ところで、日本の住宅はウサギ小屋という批判をEU諸国から受けたことがある。日本の住宅はそんなに貧しいのか―。住宅全体(持家、借家のストック)の平均面積は、日本92屬紡个靴栃胴151屐英国92屐▲疋ぅ93屐▲侫薀鵐95屬如∧胴颪世韻“断トツ”。その他の国にくらべると、日本はそれほど劣った数字(床面積)ではない。また持家(ストック)だけをとると、日本123屬紡个靴栃胴158屐英国102屐▲疋ぅ122屐▲侫薀鵐112屬函△海譴泙親本が他の先進諸国(米国は別)に肩を並べる水準だ。

 日本の住宅がウサギ小屋に見えたのは、1戸1戸の住宅の貧しさよりも、むしろ、1戸当たりの敷地面積の狭小さ(密集住宅の形成)、上下水道の低普及、公園面積の少なさなど、社会資本の貧困さにあったのではないか。その意味で、生活環境の充実のための公共事業は、その範囲、あるいは金額ともにより拡大してゆくことが望まれる。

 いずれにしても、住宅・不動産に関する統計を読むのは“面白い”。さまざまな統計を“頭にたたきこむ”ことはジャーナリスト活動の基本であると自戒すべきだろう。

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