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日本不動産ジャーナリスト会議賞(第3回)の受賞者について

  日本不動産ジャーナリスト会議は、このほど選考委員会を開催し、「第3回日本不動産ジャーナリスト会議賞」(平成24年度分)を選定いたしました。「プロジェクト賞」は3件、「著作賞」は1件、の合計4件です。選定された4件の受賞者と受賞理由は、次の通りです。
【プロジェクト賞】
・郵船不動産株式会社=オフィス共用部の節電分をテナントに還元した省エネ活動
・東急不動産株式会社=CSR活動の一環として組織的に取り組んだ「大震災復興支援活動」
・工学院大学建築学部後藤研究室=被災地・石巻市で取り組まれた「白浜復興住宅」の『村』再生プロジェクト
【著作賞】
・一般社団法人不動産証券化協会=「不動産証券化」新市場への普及・啓蒙・教育の『不動産証券化ハンドブック』などの継続的推進活動の書籍

 【プロジェクト賞】
(1)オフィス共用部の節電分をテナントに還元した省エネ活動
     受賞者・郵船不動産株式会社

≪受賞理由≫
  賃貸オフィスビル業界にあっては大手もそうだが、なかなか身を切ってお客さま(テナント)に浮いた利益分の還元はしてこなかった。そうした賃貸オフィスビル業界の中で、郵船不動産ではサービス業の原点(不動産はサービス業である)に返り、「ソフト力によるバリューアップ」にトライしてきた。特に、その活動により築いたテナントとオーナーとの「win-winの関係」を活かして行った節電活動が、東日本大震災直後の2011年4月1日から実施した「節電フルーツ還元」の節電である。
 この節電スキームのコンセプトは、テナントの協力、理解が不可欠であるとして、その協力のおかげで実った“節電フルーツ”の分け前は当然、テナントとオーナーでともに食すべきとした。具体的には、テナント共通の節電メニューとして、「節電25ポイント」を作成し、実行した結果、2011年4月〜2012年3月末までの1年間で、東京電力管内オフィスビル6物件で、合計1300万円をテナントに還元できた。
 次年度の2012年度からは、「“We are on the same boat”節電」活動を実施した。具体的には、電力会社の値上げ要請を受け、その値上げ分をテナントとの協働節電によって吸収することを試みた。その結果、当初の計画通り東京電力との基本料金(契約料金)を下げて、値上げ分を吸収することに成功し、年間2000万円のコストを抑制し、テナントに還元できた。
 こうしたことは、オフィスビル業界にとっては画期的なことであり、テナントからも「フェアな対応」との評価を得て、2011年11月には同業他社でも同様の取り組みを行うところも出てくるほど、社会的影響も大きく、大変意義深く、高く評価されよう。

(2)CSR活動の一環として組織的に取り組んだ「大震災復興支援活動」
        受賞者・東急不動産株式会社

≪受賞理由≫
 東日本大震災の復興支援活動は、大小問わずどの企業でもやっていることなので、特に真新しいことではないが、東急不動産ではこの復興支援活動を、「CSR(企業の社会的責任)活動として位置付け、その一環として全社的・組織的に取り組んでいる」という。そうしたCSRの観点から検討した結果、不動産デベロッパ―大手各社のCSR活動は、現時点においてもなお、どの会社もそれほどめぼしいものはなく、経団連銘柄の各業界大手リーダー会社と比べ、格段に見劣りしていることが判明、このままでは社会の不動産業界に対するイメージは、なかなか良くなるものではないのではなかろうか、という指摘もされている。
 そうした不動産業界にあって、東急不動産は業界の先頭を切ってCSR活動を始めている。具体的には、社内組織としていち早く「CSR部」を設置しているし、そういう意味で、今回の「復興支援活動」もそうしたCSRの視点で全社的に取り組んでいるのなら、企業の社会性というCSR活動の取り組みが遅れている不動産業界に波及させていく観点から判断して、その活動内容を見ても充実していることもあり、評価しても良いのではということで、受賞に値する結論に達した。
 実際の復興支援活動の主なものは[α姐眦鳥圓らの要請を受け、ボランティア活動(人的労働力提供)を実施し、2012年度は200名の社員が参加した、同市が旧矢作小学校で行う「ボランティア用簡易宿泊所」設置プロジェクトに、構想段階から参画し、企画・設計段階でも市の事業推進をサポートした、H鏈劼靴浸匐,凌瓦離吋△鯡榲とした「みどりの東北元気キャンプ」に宿泊施設、食事、スタッフを提供、さだ臂造糧鏈卉楼榲梢篆淵汽檗璽箸里燭瓠⊆勸3名を市役所に派遣(出向)―等々。


(3)被災地・石巻市で取り組まれた「白浜復興住宅」の『村』再生プロジェクト
     受賞者・工学院大学建築学部後藤研究室

≪受賞理由≫
 東日本大震災ではまず、仮設住宅の建設により居住場所の確保を進めてきた。そうした中、2011年9月に、工学院大学が提案し、応急仮設住宅に代わる住宅づくりとして実行した「東北地方に美しい村を復興するための『村』再生プロジェクト」は、被災地の住宅・コミュニティーのあり方に一石を投じるプロジェクトとなった。
 このプロジェクトは、工学院大学が125周年記念での募集基金を建築資金として捻出する一方、石巻市の街づくり会社「芽ぐみ」と地元工務店などが協力して取り組み、石巻市北上町の敷地面積4989屬法¬畋な寝3棟、木造2階建て住宅8棟の合計11棟を建設、うち10棟が個人住宅として、2階建ての1棟は東北地方に古くからあった互助精神のある共同体を保護・維持する意味を持たせたコミュニティーゾーンとして、共同利用可能な住宅とし、12年3月に全棟を完成させた。“応急・仮設”でなく、本格的な被災者の生活再建のためには、新たな恒久住宅を建設する必要があり、従来型の応急仮設住宅とは一味違った「災害公営住宅の普及モデル」を提案した、という点で評価できよう。
 審査上、現地視察した結果、確かに応急住宅というイメージはなく、居住者への聞き取りでは「家賃は月2万円、2階建てで2万7000円。住み心地は仮設住宅とは全然違い、快適だ」といっていた。一応、開発理念が実現していたというので、評価に値しよう。その一方で、高台なので「水の問題点」も居住者から指摘され、完成後の管理運営面での課題は残っているようだ。

【著作賞】
(1)「不動産証券化」新市場への普及・啓蒙・教育の『不動産証券化ハンドブック』などの継続的推進活動の書籍
      受賞者・一般社団法人不動産証券化協会

≪受賞理由≫
 1500兆円ともいわれる個人金融資産の運用先が求められている中で、不動産証券化市場は、個人投資家を始めとする様々な投資家層に広く投資機会を提供し、国民の資産形成において重要な役割を果たすとともに、「不動産と金融資産」を結び付けることで、都市や地域の安全・安心な不動産ストックの形成、大都市の再生、地域の活性化等に寄与するものと、期待されている。しかし、一般個人投資家にはまだまだ、その認識度が薄く、証券化市場の広がりには、さらにもう一、二段の積極的な啓蒙・普及を図っていく広報活動が待たれているところである。
 不動産証券化協会では、不動産証券化推進を目的とする法・税制等の諸制度の整備・改善に関する政策提言や調査研究、不動産証券化にかかわる教育・啓蒙活動、協会認定マスター(資格制度)養成講座の運営、不動産証券化商品に関する広報活動などを実施してきた。特に、一般向けの普及活動の大きな柱の一つが、不動産証券化に関する出版物の制作や執筆を通じて、不動産証券化市場と商品についての紹介や解説を行うこと。なかでも、同協会が発行する『不動産証券化ハンドブック』は、不動産証券化市場がまだ黎明期にあった1993年に創刊し、市場の発展とともにその内容を充実化させて現在まで継続して毎年発行してきた。今年7月に発行した「2013年度版」で21版目となる。
 このほかにも、より広く一般に流布する書籍(出版社)への執筆、編著等を行い、不動産証券化に関する知識の普及活動を行っている。こうした一般投資家向けの広報普及・啓蒙活動をさらに積極拡大、徹底させていき、不動産証券化という新しい市場の健全な育成・整備を図っていく重要性を鑑み、顕彰することとした。
(担当幹事・大越 武)

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